いざ参ろう 八百万宗教アート1
『オウム真理教 布教アニメ』


 建造物、創造物を通して宗教とアートの密接な関わりを紹介する当コラム。まずは我々にも身近な「アニメ」という手法を用いて大胆にも布教アートを作り上げた教団を紹介したい。それこそがかのオウム真理教である。  作品冒頭、スペーシーな画面から超越世界のタイトル。ここではグルによるナマ声のオープニングテーマが聞ける。要約すると、きっと誰でも持っている超越神力を極めて超越世界に一緒に行きましょう、と歌っている。  そこからグルの精悍な顔アップ! ここで吹いている風は山頂だからではなく、顔かっこいいから吹いている。そしてそこから浮き上がる身体。アルプスっぽい渓谷を飛んでいく後ろ姿。これが誰でも一度は見聞きしたことがあるだろう空中浮遊である。そして回想シーン。初めて空中浮遊を会得した時を振り返る。グル曰く、「瞑想していたら頭頂部に火がついたかと思う程額が熱くなった。でもここで止めるわけにはいかない。と、そこで尾てい骨から頭までなにかのパワーが付き抜けた(この突き抜けシーンは勃起に酷似)と思うと身体がゴム鞠のように跳ね出し、気づくと中空に漂っていた」のである。  そして空中浮遊を会得したグルは瞑想ステージが上がり、自分の化身を飛ばして信者たちの動向を見て回る。すると、教義で禁止されているにも関わらず、信者同士で生ハメ、中出しをしているものを発見。その女性に電話をし、すかさずポア! ではなく、もう二度とするんじゃないよと優しく嗜める。優しい! 吹き込んでいる時の顔も優しかったはず! そらオウムトレーナーを着た信者も追いかけてくるわ! でも追いつけない。だってこんなに優しいんだもん。子供を抱いたこの表情。さすが尊師! すごい偶像。これぞアート。[11/17 UP!]


▲作画監督曰く「上から与えられたものを絵コンテに持ち込むしかなく大変だった。教典は教典としてあって、ウソを書いたらいダメで。ヘタしたら、ヴァジラーナ地獄に落ちることになるんですよ」〜QJvol.13(太田出版)より一部引用〜。


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