オカルト古書探訪5
『妖怪100物語』 (水木しげる/小学館/定価530円)
その妖怪への熱き情熱および啓蒙活動、そしてぶっ飛んだ言動から「本人が一番妖怪」とリスペクトされている水木しげる大先生。そんな氏の蒐集した100物語ってどんな内容なんだい? というわけで早速ページをめくってみると、出るわ出るわシャレにならないほど恐ろしい話や奇妙な物語の雨あられ。氏も恐がらす方向に気合を炸裂させたようで、絵柄も『鬼太郎』のようにほんわかしたテイストは皆無。どのページも背筋が凍るような絵ばかり目白押しになっている。といって単なる恐い話ではなく、民俗学や古典文学、日本神話などへの言及も要所要所に差し挟まれ、本気になった水木先生の卓越した手腕を存分に味わえる内容になっている。一方、そんなシリアスさを全面に押し出しすぎて反省したのか、まえがきで「100話目に妖怪が出てきたとしても、妖怪はべつにわるいことをしませんから、平気な顔をしていればよいでしょう」と、読者のお子様にフォローを入れるあたり、水木先生はやはり偉大なのだった。[1/19 UP!]
▲79年刊。鬼太郎のノリを期待すると本当にチビるのでお読みの際はご注意。
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